突然ですが、絵本を作り始める前に自分の話をしようと思います。
自今の考えを少しまとめておこうかと。
私は大学では小説の勉強をしていて、十八歳から今までずっと小説家になりたかったんです。
「なりたかった」といっても過去形ではなく、隙あらば今もなりたいと思っているし、死ぬまで書き続けていこうとは思ってます。
でも、今は絵本作りをしようかなと考えはじめたのには少し訳がありまして。
去年、縁あって神永先生というミステリー作家と知り合い、作品を読んでもらって気に入っていただき、唯一の弟子になりました。
私が新宿の怪談ライブバーで働いていた頃のことです。
サイン会のお手伝いをさせてもらって、編集者が大勢いる忘年会にも呼んでもらい、私の作品を先生経由で編集者に読んでもらうこともできました。作家志望からするとほんと夢のようなチャンスですよね。
作品も褒めてもらいました。
(ボクシングをテーマにしたミステリー作品。人がいっぱい死ぬ)
でも、それは単行本化するにはあまりにもお話しとして短かった。短編ばかり書いて、短編ばかり読んできた(せっかちだから早い展開が好きで・・・)ツケが回ってきたんです。
しかも私は無名。小説の賞を取ったこともない一般人です。ただ小説を書くことが趣味のぽんこつです。
出版なんてできるわけありません。なぜなら出版社にとってあまりに勝算がないから。私には売り文句がなにもないんです。
編集者からは「長編書いてみたら?」と言われ、書いてはいたんですがそれがなかなか進まなくて。辛かった。
いい作品なのかわからない不安のまま、キーボードを打っていることが苦しくてたまりませんでした。
それで、30を手前にして悩みました。
今までなにも考えずに当たり前のように小説を書いていたけど、小説はかなりハードルが高いっていうことにも気が付きました。(今更
小説って読んでもらうのにかなり時間がかかるし労力もかかる。だから気軽に「これいいと思う?」って聞くこともできないし、自費出版したとしても誰も無名の人の作品に労力描けて読もうなんて思わない。
てかまず賞をとるしか前に進む方法がなくて、書き続けることだけが成功への道って、おもしろくなくない??(だから作家ってすごいんですよね
と思っていたときです。
夫が「絵本かいたら?」と言ってくれたのは。
聞いた瞬間「それだぁぁぁああ!」ってなりました。
私!!いま!!!絵本がつくりたい!!!って。
突然テンションがマックスまであがりました。消えかけていた創作意欲がぐんぐん湧き上がっていくのを感じました。
なんで忘れてたんだろう。
そういえば小学生のときは絵本だいすきで、絵本作家になりたかったんです。
(ちなみに幼稚園の頃は芸人)
絵本をつくる方が簡単だなんてもちろん思っていません。
絵本作家の方が楽じゃないか、と思っているわけでは決してありません!
そもそも私は絵に関してまったくの素人なので、できない可能性の方が高いです。
でも、絵本は小説と違って見た瞬間に良し悪しがわかる。
私があちこち歩き回って手売りをしたとしても、その場でみて、一瞬で確認ができる。
なにより、よく知らない人の作品であっても、大御所であっても、子供は差別せずに楽しんでくれる。
小説にはない面白さと可能性が、絵本には残ってるような気がしたんです。
これまで言葉だけで勝負してきた私にとって、絵が味方になってくれるのか、それとも足を引っ張る存在になるのかはまだ作っていないのでわかりませんが、
「絵本」もまたひとつの文学です。小説を書いてきた私にしか書けないお話しもあるんじゃないか? 小説家を目指す私だからできる仕掛けもあるんじゃないか?
そう思いました。
やるからにはドMになって自分を極限まで追い込みたい。
I年以内に出版すると公言し、やらざるをえない環境を整えました。
なので、私は1年以内に絵本をつくります。
そしてその過程をすべて、ここで晒します。
小説では地の文を書き捨てて、とにかく話を進めることに注力していましたが、絵本ではひとつひとつの言葉を丁寧に選んで、表現を繋いでいきたい。
子供も大人も関係なく、心にすっと入るものをつくりたい。
なんてかっこいいこと言ってますが、
「やっぱ無理!!」ってなって逃げ出しかねないのでここで私のことを見張ってくださる方が一人でも多いとありがたいです!!
絵本を作るにあたって、広告について学んだほうがいいとのことで、夫から西野さんの著書「革命のファンファーレ」を勧められました。
作ったところで誰の手にも渡らなければ意味がないので読んでみましたが、とても参考になりました。ビジネス書を読んだのはこれが初めてです。
「絵本の制作過程を公開する」というのはめちゃくちゃ正解だったというのがわかったし、
他にも真似できるところはごりごりパクっていきます!笑
絵はまだまだ初心者ですが、ペンタブ を買った一ヶ月前よりは慣れてきた気がします。腰も肩も目も痛くなりながらがんばって練習していきます。
素人で、しかもめんどくさがりな私が本当に一年以内に絵本出版ができたら、このやり方を真似してください。
私の失敗も成功も、参考にしてもらえたらうれしいです。
nono.